
「うちはちゃんと申告してるから大丈夫」
そう思っていても、税務調査で“よく見られるポイント”があります。
その代表例のひとつが 「役員報酬」。
実は、役員報酬には法人税法上の厳格なルールがあり、
少しの運用ミスが 否認(経費として認められない) につながることも。
今回は、税務調査で指摘されやすい役員報酬のポイントと、
事前にできる対策について、税理士の視点から解説します。
【よくある指摘①:期中での増減】
税務上、役員報酬は「期首から1年間、同額」で支払うのが原則です。
途中で増やしたり減らしたりすると、損金(経費)として認められない可能性があります。
特に、
-
売上が伸びたから報酬をアップ
-
社長の都合で減額
といったケースは、よくある調査指摘例です。
【よくある指摘②:賞与・決算賞与】
役員に対する「賞与」や「決算賞与」は、原則として経費になりません。
経費にするには、事前に「支給額を記載した届出」を税務署に出す必要があります(事前確定届出給与)。
届出がなかったり、金額に変更があると、全額否認されてしまう恐れも…。
【よくある指摘③:同族会社ゆえの自由な運用】
同族会社では、家族間で役員を構成していることも多く、
報酬の変更が実質的に自由に行われてしまうケースがあります。
「じゃあ今年はこのくらいにしようか」
といった感覚的な運用は、調査時にリスクになります。
【対策ポイント】
✅ 期首に報酬額を明確に決定・議事録に記録
✅ 賞与を支払う場合は、必ず事前確定届出を提出
✅ 同族会社でも「第三者目線」での運用を意識
✅ 税理士に都度相談することが最大のリスク回避
【まとめ】
役員報酬の扱いは、法人税の調査で高確率でチェックされる項目です。
金額の妥当性だけでなく、「手続きや時期」も非常に重要。
「知らなかった」では通らない世界だからこそ、
きちんとした運用で、会社と自分を守りましょう。